初代豚腎細胞で低温馴化した豚パルボウイルス弱毒HT<SUP>-</SUP>-SK-C株の樹立とSPF母豚由来の子豚への接種試験

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タイトル別名
  • Establishment and an Inoculation Test of an Attenuated Strain of Porcine Parvovirus by Serial Passage in Primary Swine Kidney Cells at Low Temperature
  • 初代豚腎細胞で低温馴化した豚パルボウイルス弱毒HT-SK-C株の樹立とSPF母豚由来の子豚への接種試験
  • ショダイ ブタ ジン サイボウ デ テイオン ジュンカシタ ブタ パルボ ウイ

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抄録

豚胎児腎 (ESK) 株化細胞で作出された豚パルボウイルス (PPV) 弱毒HT-株には, 豚コレラウイルス (HCV) E-の混入があったことから, 著者らは, HT一株を初代豚腎 (SK) 細胞に32℃で連続継代し, 14~17代に60℃30分加熱処理, 18代に紫外線照射 (UV) 処理後25代継代して, HCVE-および他のウイルスの混入がなく, 32℃ でより増殖性の高いHT-SK-C株を樹立した.<BR>本株について, 温度感受性 (TS) 試験, モルモットおよびSPF母豚由来の初乳未摂取人工哺育豚 (SPF子豚) 接種試験等を行い, 以下の成績を得た.<BR>1) ESK細胞で測定したウイルス感染価は32℃ で106.3TCID50/ml, TS試験はReproductivecapacity (rct)/37-, rct/40-で, 37℃ のEfficiency of growth (EOG) は4.3, 40℃ のEOGは5.8以上であった.また, 37℃ でSK細胞に3代継代してもウイルス感染価は101.0TCID50/ml以下で, 37℃ のEOGは3.8以上であった.<BR>2) 物理化学的性状はPPV90HS株と同様に, トリプシン, SDC, エーテル, クロロホルムに耐性で, 60℃ の加熱, pH2.7~7.7に対しそれぞれ安定であった.<BR>3) モルモットの皮下に106.0TCID50/mlを1回接種後のHI抗体価は, 2週で40倍, 4週で80倍, 5週で121倍, 8週で92倍であった.<BR>4) SPF子豚1頭の皮下に105.5TCID50/ml1回接種し, 非接種同居豚1頭とともに5日間観察したが, 臨床所見の異常, ウイルス血症, ウイルス排出は認められなかった.また, 接種豚と非接種同居豚の咽頭, 鼻腔, 直腸ぬぐい液をプールして接種した1頭のSPF子豚と, 非接種同居豚1頭でも, 7日間の観察結果は同様に陰性であった.さらに, これら4頭の臓器からウイルス分離を試みたが陰性であった.

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