クモガニ科ワタクズダマシの幼生

書誌事項

タイトル別名
  • STUDIES ON THE LARVAL DEVELOPMENT OF ZEWA NIPPONICA SAKAI (CRUSTACEA, BRACHYURA, MAJIDAE)
  • クモガニ科ワタクズダマシの幼生〔英文〕
  • クモガニカ ワタクズダマシ ノ ヨウセイ エイブン

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抄録

1976年7月28日,千葉県小湊,東京水産大学付属小湊実験場付近の磯で,Zewa nipponicaの抱卵雌を1個体採集した。抱卵雌は実験室に持ち帰り,飼育した。 孵化した幼生は,水温22.2℃〜24.2℃で飼育した。本研究は,Z. nipponicaの幼生期を記載するとともに,既報のクモガニ科第1期ゾエアおよびメガロパとの比較を行った。さらに,AIKAWA(1933)がプランクトンネットで採集し記載したゾエアとの相違を検討した。本種の第1期ゾエアが既報のクモガニ科第1期ゾエアと相違する点は,1)退化した後側縁棘を第3・4腹節に有する,2)すべての頭胸甲棘を欠く事である。さらに,本種のゾエアが,大顎によく発達した鎌状の門歯部を有する点は特記される。本種のメガロパが既報のクモガニ科メガロパと相違する点は,1)額棘が隔壁となり,額域が2叉している。2)頭胸甲に棘および突起を欠く事である。AIKAWA(1933)がGrapsizoea otawaensisとして記載したゾエアを,倉田(1969)はAcanthophrys属に比較的近縁な種の幼生であろうとしている。頭胸甲の形状,尾節外側棘数および大顎の形態を本種ゾエアと比較検討したところ,G. otawaensisはZ. nipponivaの幼生あるいは本種に近縁な種の幼生と思われる。

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