沖縄島中城湾に出現するドロクイ属2種の仔稚魚の形態変化

  • 上原 匡人
    琉球大学大学院理工学研究科 沖縄県水産海洋技術センター本部駐在
  • 立原 一憲
    琉球大学理学部海洋自然科学科

書誌事項

タイトル別名
  • Morphological development in larvae and juveniles of two gizzard shads, <I>Nematalosa japonica</I> and <I>N. come</I> (Clupeiformes: Clupeidae), from Nakagusuku Bay, Okinawa Island, Ryukyu Archipelago
  • オキナワトウ チュウジョウワン ニ シュツゲン スル ドロクイゾク 2シュ ノ シチギョ ノ ケイタイ ヘンカ

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説明

ドロクイ Nematalosa japonica とリュウキュウドロクイ Nematalosa come は,沖縄海域における重要な漁獲対象種である。ここでは,沖縄島中城湾で採集された両種の仔稚魚について,形態学的,生態学的および遺伝学的手法を用いて同定し,両種の識別点を明らかにするとともに,成長に伴う外部形態の発達を記載した。得られたドロクイ属仔稚魚150個体は,ドロクイ59個体,リュウキュウドロクイ89個体,雑種2個体に同定され,筋節数,背・臀鰭の鰭条数,背鰭基底と肛門の位置関係および黒色素胞の分布様式により類似するニシン科他属の種と明瞭に識別された。また両種の仔稚魚を比較すると,体長や頭長に対する各部位の値および背・臀鰭の鰭条数は重複したが,筋節数で差異が認められた。しかし,交雑個体は,形態的特徴により識別することが困難であった。このため,両種仔稚魚の正確な同定は,成魚や雑種の分布を考慮し,形態学的,生態学的および遺伝学的手法を併用して行う必要がある。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 64 (3), 321-331, 2016

    日本水産増殖学会

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