稲作北限地域の不感光性イネ品種に見出されたSe-1座の感光性遺伝子

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  • Photoperiod Sensitivity Gene of Se-1 Locus Found in Photoperiod Insensitive Rice Cultivars of the Northern Limit Region of Rice Cultivation
  • Photoperiod sensitivity gene of Se-1 lo

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出穂性は,品種の適応性や生産性を左右する重要な農業形質である。稲作の北限地域の一つである北海道では,長日条件(15時間以上)で推移する短い夏期に適応するように育種された結果,感光性をほぼ喪失した極早生品種が栽培されている。本研究では,12の北海道イネ品種について,感光性を支配する重要な遺伝子座Se-1座の遺伝子型を調査した。その結果,8品種(はやゆき,農林20号,早生富国,キタヒカリ,しおかり,栄光,ユーカラ,マツマエ)がSe-1座に不感光性遺伝子Se-1^eをもつのに対して,4品種(きよかぜ,はやこがね,きらら397,ささほなみ)はSe-1座に感光性遺伝子Se-1nをもつことが判明した。これまでの結果から,ほとんどの北海道品種は感光性遺伝子座E1座の不感光性遺伝子e1をもつことが判明しているが,Se-1座の不感光性遺伝子Se-1eは,北海道品種の弱感光性に必ずしも必要でないと考えられた。また,Se-1nの発現を抑制する遺伝子の存在が示唆された。この遺伝子はe1とともに北海道品種の弱感光性に関与していると考えられる。さらに,Se-1座の遺伝子型と北海道品種の早晩性とは無関係であること,Se-1nをもつことが判明した北海道品種は,すべて系譜上の親に農林15号をもつことが明らかになった。

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