瀬戸内海燧灘西部の環境特性が異なる砂浜海岸における仔稚魚群集の比較

  • 渡邉 昭生
    愛媛県農林水産研究所水産研究センター栽培資源研究所
  • 清水 孝昭
    愛媛県農林水産研究所水産研究センター栽培資源研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of larval and juvenile fish communities of sandy beaches which have different characteristics in western Hiuchi-Nada, central Seto Inland Sea, Japan
  • セトナイカイスイナダ セイブ ノ カンキョウ トクセイ ガ コトナル スナハマ カイガン ニ オケル シチギョ グンシュウ ノ ヒカク

この論文をさがす

説明

燧灘沿岸の4定点で西水研型桁網による仔稚魚の採集調査を,2002年5月から2005年4月まで毎月1-8回実施し,仔稚魚を中心として35科74種以上,合計40,112尾を採集した。優占上位10種(個体数割合)は,順にヒメハゼ(70.1%),クロダイ(4.7%),イシガレイ(2.7%),ギンポ(2.7%),ネズッポ属(2.2%),ニクハゼ(1.7%),マハゼ(1.7%),シロギス(1.7%),ヒラメ(1.5%),アミメハギ(1.4%)であった。本砂浜海岸の全定点でヒメハゼの個体数密度が最も高く,燧灘の砂浜海岸における優占種と言える。半自然海岸(高須,河原津2)は個体数密度と種の多様度が河口域(西条)や人工海岸(河原津1)と比較して高く,魚類群集に良好な生息環境を維持していると推察された。一方,人工海岸ではクロダイなど他の定点で出現頻度の低かった種の密度が高いなど,独自の群集構造が見られた。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 63 (4), 389-398, 2015

    日本水産増殖学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ