アサリ垂下養殖における基質の検討

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タイトル別名
  • Culture substrate for suspended culturing of the Manila clam <I>Ruditapes philippinarum</I>
  • アサリ スイカ ヨウショク ニ オケル キシツ ノ ケントウ

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抄録

三重県大浦湾においてコンテナ容器を用いた垂下方式および干潟に設置した網袋でのアサリ飼育試験を行った。その結果,干潟での網袋飼育にくらべ垂下方式での飼育においてより良好な成長や栄養状態が確認されたが,垂下方式の試験区では,容器外への散逸などによるものと考えられるアサリ個体数の大幅な減少が発生した。垂下飼育におけるアサリの成長は,基質の深さが浅い試験区(36 mm)にくらべ深い試験区(72 mm)において優れていた。一方,垂下方式での飼育では,基質の種類(礫と軽石)によるアサリの成長の有意な差は検出されなかった。これらの試験結果から,付加価値の高い大型のアサリを効率的に生産するには,基質の深さに配慮した垂下養殖が適当であり,深さを増すための基質容量の増加に付随した重量の増加による垂下量の抑制や作業負担の増加は,垂下養殖に用いられている砂や砂利に比べ軽量な軽石を基質に用いることで緩和できることが明らかとなった。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 63 (1), 9-16, 2015

    日本水産増殖学会

被引用文献 (1)*注記

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