コイの成長, 飼料効率, 血清および体成分におよぼす配合飼料に補足した燐の影響

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抄録

1) 主として北洋ミール (60%) からなる粗飼料 (北洋ミール由来の燐量1498mg%) に補足すべき燐の適正量は, 燐酸塩補足料料を与えた体重100~200gのコイの成長と飼料効率からみて628~1064mg%であった.<BR>2) 北洋ミールを40%含有する粗飼料に第2燐酸ソーダを補足すると, 補足量が増すにしたがって給餌1時間後の血清無機燐量は増加した.しかし燐酸塩無補足飼料を摂餌したコイの血清無機燐量は, 給餌後ほとんど変動しなかった.また, 第2燐酸ソーダ4%補足飼料区 (燐補足量872mg%) の給餌1時間後の血清無機燐量は, 16.5~19.0mg/dlであった.<BR>3) 北洋ミールを40%含有する粗飼料を用いた場合, 第2燐酸ソーダ4%補足レベル (燐補足量872mg%) では, いずれの補足レベルでも給餌後4時間の血清カルシウム量に変動なくほぼ一定の10mg/dlを示したが, 6%補足区 (燐補足量1308mg%) の給餌1時間後の値は, 僅かに低い8.0mg/dlであった.<BR>4) 北洋ミール57%を主タンパク源とする粗飼料への燐1064mg%補足は, 燐192mg%補足に比して魚体の粗脂肪量および脂肪蓄積率を著しく低下し, 魚体の粗灰分量, 粗灰分中のカルシウムと燐量および粗タンパク質蓄積率を上昇させた.

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 27 (1), 26-32, 1979

    日本水産増殖学会

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