沖縄島周辺島嶼のオリイオオコウモリ<i>Pteropus dasymallus inopinatus</i>の分布, 特に与論島における生息確認と若干の生態的知見について

書誌事項

タイトル別名
  • Distribution of the Ryukyu flying-fox (<i>Pteropus dasymallus inopinatus</i>) on islands adjacent to Okinawa Island, with special reference to their ecology on Yoron Island
  • 沖縄島周辺島嶼のオリイオオコウモリPteropus dasymallus inopinatusの分布,特に与論島における生息確認と若干の生態的知見について
  • オキナワトウ シュウヘントウショ ノ オリイオオコウモリ Pteropus dasymallus inopinatus ノ ブンプ トクニ ヨロントウ ニ オケル セイソク カクニン ト ジャッカン ノ セイタイテキ チケン ニ ツイテ

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抄録

オリイオオコウモリPteropus dasymallus inopinatusについて, 沖縄島周辺島嶼での1994~2005年にわたる直接観察, 食痕・ペリットの有無および聞き取り調査によって, 古宇利島, 伊江島, 水納島, 伊計島, 宮城島, 平安座島, 浜比嘉島, 津堅島および久高島に生息することを確認した. 与論島のオオコウモリに関して, 入手された標本・資料の検討結果からオリイオオコウモリと同定し, 与論島が本亜種の新分布地として追加された. さらに同島では詳細な生態的調査も行い, 2004年9月と2005年2月に少なくとも5頭の生息を確認した. 特に夏~秋季には親子も見られた. 食物としては, 春季にはアコウFicus superbaやモモタマナTerminalia catappaの果実, 夏~秋季にはシマグワMorus australisやフクギGarcinia subellipticaの果実, 冬季にはガジュマルF. microcarpaやアコウの果実が利用されていた. 以上の観察結果からオリイオオコウモリは, 個体数が少ないながらも, 一年を通して与論島に定住し繁殖しているものと考えられる.

収録刊行物

  • 哺乳類科学

    哺乳類科学 46 (1), 29-34, 2006

    日本哺乳類学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (6)*注記

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