気管支喘息発作を併発した特発性食道破裂の1例

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タイトル別名
  • A Case of Spontaneous Esophageal Perforation Complicated with a Bronchial Asthma Attack

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抄録

症例は43歳女性。気管支喘息のため,ステロイド吸入とテオフィリン,ロイコトリエン拮抗薬内服中であった。1ヵ月前より悪心,嘔吐があり,朝起きた際に嘔吐し,その直後より背部痛,呼吸困難が出現したため近医に搬送され,特発性食道破裂の疑いで当院紹介となった。来院時には喘息発作のため,喘鳴が著明であった。CT検査では頸部から下縦隔に及ぶ縦隔気腫と左胸水を認めた。上部消化管造影では,下部食道左側壁より造影剤の漏出を認めたが,胸腔内へは広がらず,縦隔内限局型食道破裂と診断した。縦隔内貯留物が多く食道内腔へのドレナージが不良で,ステロイド使用による感染増悪も考慮し,手術治療を選択した。術式は左開胸縦隔胸腔洗浄ドレナージ,穿孔部縫合閉鎖および胃底部縫着術を施行した。術後はステロイドにて喘息発作を抑えることができ,縫合不全も認めず,術後16日目に退院が可能であった。

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参考文献 (15)*注記

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