全結腸型壊死型虚血性大腸炎の1例

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  • A Case of Gangrenous Ischemic Colitis Expanding to Involve the Total Colon

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抄録

症例は81歳の男性。半月前から出現した便秘と腹痛の増悪を主訴に当院救急外来に搬送された。腹部CT検査にて便秘症と診断され一旦帰宅するも症状軽快せず,翌朝に再度救急搬送された。腹部CT検査にて全結腸の拡張を認め,イレウスの疑いにて内科入院となるも,腹痛は増悪し,S状結腸内視鏡検査を施行したところ,S状結腸に縦走する白色調変化を認めた。内視鏡検査後にショックに至ったため,同日緊急手術を施行した。盲腸からS状結腸までの全結腸が壊死しており,全結腸切除術を施行した。また,術中に回腸末端に壊死が拡大したため,回腸末端を追加切除し,回腸人工肛門造設術を施行した。病理所見より壊死型虚血性大腸炎と診断した。術後経過は比較的良好で,術後40日目に退院した。外科的治療にて救命可能であった全結腸型壊死型虚血性大腸炎1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。

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