膵頭十二指腸切除術後に門脈ガス血症をきたし保存的加療にて軽快した1例

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タイトル別名
  • Successful Conservative Treatment for Portal Venous Gas Following Pancreaticoduodenectomy

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症例は71歳,男性。前医で閉塞性黄疸に対しPTBDを施行され,精査加療目的で入院した。精査の結果,下部胆管癌と診断され,膵頭十二指腸切除術を施行した。術後11日目に,発熱と嘔吐を認めた。腹膜刺激症状やアシドーシスは認められなかった。腹部US検査では門脈内を移動する高輝度エコー,CT検査では,肝内末梢に樹枝状の透亮像および胃拡張や胃壁内気腫を認めた。胃内圧上昇による門脈ガス血症と診断した。全身状態は安定していたため,胃内減圧と抗菌薬投与で保存的加療を行った。翌日には,門脈ガス血症は消失し,1週間後に経口摂取を開始した。その後,経過は良好であった。膵頭十二指腸切除術後に門脈ガス血症をきたし,保存的加療にて軽快した1例を経験したので報告する。

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