小児のボタン電池誤飲に対する治療成績と問題点

書誌事項

タイトル別名
  • Button Battery Ingestion is Children-the Treatment Outcomes and Problems

この論文をさがす

説明

大型高性能リチウム電池の普及に伴い小児のボタン電池誤飲は危険性が増大している。当院におけるボタン電池誤飲例の治療経験をもとに小児のボタン電池誤飲の最近の治療成績と問題点を検討した。対象は1988年1月から2014年10月までに受診した124例とした。3歳以下が92%を占め,診断時の電池滞留部位は食道8%,胃65%,腸27%であった。食道内滞留例は嘔吐・食欲不振・発熱等の症状を有し,2時間以上滞留した例では全身麻酔下内視鏡摘出を要し,食道潰瘍形成を6例で認めた。胃内滞留例ではマグネットチューブによる摘出を原則とし,マグネット非接着例かつ小型電池例は自然排泄させ,大型電池例は内視鏡下に摘出した。小型電池で幽門部損傷により開腹摘出を要した乳児例もあった。小児ボタン電池誤飲では,食道内滞留例は食道壁潰瘍壊死の危険性から緊急摘出を要する。胃内滞留例も乳児や大型電池例では早急な対処が望ましい。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ