内視鏡下副鼻腔手術のインフォームド・コンセントにおける手術説明に関するアンケート調査~眼窩損傷・髄液漏の説明の重要性~

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  • Preoperative Informed Consent for Cerebrospinal Fluid Leaks and Orbital Complications Is Essential to Performing Endoscopic Sinus Surgery

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抄録

<p>内視鏡下副鼻腔手術は多くの耳鼻咽喉科医が経験する手術の1つである。副鼻腔は複雑な構造と,その部位から,手術により合併症が少なからず発生し得る。また,海外では合併症の訴訟が多数あると報告されており,術前にインフォームド・コンセントを得ることは必須である。しかし,どのように手術説明が行われているかの検討はなされていない。本調査では,手術説明内容の現状を把握することで,その問題点を抽出した。平成24年11月から平成27年10月で10施設の内視鏡下副鼻腔手術の年間平均手術件数,執刀医の人数,手術説明の担当者,合併症に関する説明内容および合併症数を調査した。平均年間症例数は232例,平均執刀医数は3.3人,執刀医の90%が手術説明を行っていた。すべての施設で髄液漏,眼窩損傷について説明が行われていた。3年間の手術総件数7000件のうち,0.3%(21症例)に合併症を認めた。内訳は中等度以上の眼窩損傷が0.18%(13症例),髄液漏が0.07%(5症例),出血による再手術が0.04%(3症例)であった。過去3年間で眼窩損傷を生じたことのある施設とそうでない施設では,手術説明内容に差異は認められなかった。これは,どの施設においても眼窩損傷のリスクが十分に説明されていることによるものと考えた。0.1%程度の頻度で生じる合併症である眼窩損傷,髄液漏の説明は必須と考える。</p>

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