術前診断可能であった魚骨による大網膿瘍の1例

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  • A Case of Omental Abscess due to a Fish Bone Diagnosed Preoperatively

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抄録

症例は74歳,女性。既往歴は特になし。臍周囲の皮膚発赤と腹痛を主訴に当院を受診した。腹部CT検査で,大網に線状の高吸収陰影を内部に有する膿瘍を認めた。魚骨による大網膿瘍と診断し,緊急手術を施行した。手術所見では炎症性腫瘤に包まれた大網膿瘍を認め,大網部分切除術を施行した。膿瘍内には魚骨を認めた。炎症性腫瘤は横行結腸に接していたが,明らかな穿孔を認めなかった。手術所見より,横行結腸から大網内へ穿通した魚骨が原因と推測されたが,穿孔部はすでに閉鎖したものと考えられた。術後経過は良好で術後第7病日目に退院となった。術前診断可能であった魚骨による大網膿瘍の1例を経験したので文献的考察を加え報告する。

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