Crohn病との鑑別が困難であった腸管子宮内膜症の1例

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  • A Case of Intestinal Endometriosis Causing Small Bowel Obstruction

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抄録

症例は40歳代,女性。大学生の頃から下痢と便秘を繰り返し腹部の張りを自覚。2013年5月に下腿浮腫を主訴に前医受診。Alb 2.5,Hb 8.9と低値で当院紹介。蛋白漏出性胃腸症の疑いで内科治療を行うも改善なく緊急入院。造影CTで終末回腸壁肥厚と口側小腸の拡張を認め小腸閉塞症と診断された。イレウス管造影で終末回腸に4cm長の狭窄を,内視鏡で縦走潰瘍瘢痕を伴う全周性狭窄を認めた。Crohn病が疑われたがバルーン拡張術は困難で手術適応と判断された。手術は4ポートで腹腔鏡補助下に行った。回盲部を剥離授動し回腸部分切除術を施行。術後経過はおおむね良好であった。病理検査で縦走潰瘍に類上皮肉芽腫はなくCrohn病は否定的で,口側に存在した内膜症が潰瘍形成に関与したと推察された。腹腔鏡手術により診断的治療を行ったが,整容性に加えて腹腔内観察が可能な点でも有用と思われた。

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