副鼻腔手術の術後内視鏡スコア

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  • Novel Endoscopic Scoring after Sinus Surgery

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説明

<p>慢性副鼻腔炎(chronic rhinosinusitis, CRS)に対する内視鏡下副鼻腔手術(endoscopic sinus surgery, ESS)症例において,術後の治療は非常に重要である。術後の治療をより適切に行うためには,鼻副鼻腔領域の評価が重要になる。その評価には画像検査が最も正確で有用であるが,全例に経時的に行うことは困難である。そこで我々は,手術を行った鼻副鼻腔領域の術後の内視鏡所見に関して術後内視鏡スコア(Eスコア)を提唱した。まず手術(ESS)により開放した副鼻腔と嗅裂部の内視鏡所見をそれぞれ,異常なし(0点),貯留物・粘膜腫脹があるも観察可能な部分閉塞(1点),観察不能な完全閉塞(2点)と点数化し,その合計点を求める(開放しなかった副鼻腔は除外する)。その最高点(各部位がすべて完全閉塞2点と仮定した合計点)に対する割合がEスコア(%)である。Eスコアは,手術により開放した副鼻腔および嗅裂部の内視鏡所見を評価する一つのスコアリングシステムである。当科の検討おいて,Eスコアは評価者間信頼性が高く,鼻腔内視鏡スコア(Lund-Kennedy system)および鼻副鼻腔CTスコア(Lund-Mackay system)との有意な相関性を認め,簡易にできる有用な術後の評価法の一つであることが示唆された。ただし,ポリープの再発などにより内視鏡下に副鼻腔が十分に観察できない症例においては,EスコアはCTスコアとの乖離が生じやすいため,正確な評価のためにCT検査が必要となる。今後も,内視鏡スコアの長所を活かし,容易で誤差の少ない評価法を確立させることが課題となる。</p>

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