若年男性に発症したバリウムによる宿便性下行結腸穿孔の1例
書誌事項
- タイトル別名
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- A Case of a Stercoral Colonic Perforation by the Barium in a Young Man with no Underlying Disease
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説明
症例は26歳,男性。胃透視検査1週間後に腹痛出現し近医を受診。消化管穿孔疑いで当院紹介となった。腹部CT検査で腹腔内遊離ガス像を認め,下行結腸からS状結腸にかけてガス像増加およびバリウム貯留を認めた。下部消化管穿孔の診断で緊急手術を施行した。下行結腸の腸間膜対側に約2cmの穿孔部を認め,穿孔部より盲腸までバリウムで覆われた硬便で充満しており穿孔部を切除し下行結腸で単孔式人工肛門を造設した。穿孔部周囲は菲薄し穿孔性潰瘍を認めた。病理所見では穿孔部周囲は好中球やリンパ球浸潤からなる膿瘍形成が認められた。腫瘍や憩室は認めず,穿孔部以外は異常所見は認めなかった。以上よりバリウム塊による硬便で腸管壁が圧迫壊死し,下行結腸が穿孔した宿便性大腸穿孔と診断した。基礎疾患のない若年者でのバリウムによる胃透視検査後の大腸穿孔はまれであり若干の文献的考察を加えて報告する。
収録刊行物
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- 日本腹部救急医学会雑誌
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日本腹部救急医学会雑誌 35 (6), 741-744, 2015
日本腹部救急医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204738137600
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- NII論文ID
- 130005120643
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- ISSN
- 18824781
- 13402242
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可