イレウスを伴う閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対し腹腔鏡下修復術を施行した1例

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タイトル別名
  • A Case of Incarcerated Obturator Hernia with Ileus Treated by Laparoscopic Repair

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説明

<p>症例は89歳,女性。嘔吐し倒れているところを長男に発見されて救急搬送された。腹部CTで右閉鎖孔内への小腸の脱出と口側小腸から胃にかけての拡張を認めた。誤嚥性肺炎を伴った閉鎖孔ヘルニア嵌頓によるイレウスと診断した。イレウス管を挿入し,緊急手術を施行した。腹腔鏡下に嵌頓した小腸を整復し,鼠径ヘルニアに対する腹腔内到達法に準じ,筋恥骨孔(myopectineal orifice:MPO)を剥離露出し,既成の形状記憶のものとシートタイプのメッシュをあわせて挿入固定した。近年では緊急例での腹腔鏡下手術も複数報告されており,腸管拡張を伴うイレウス症例であっても,減圧,術式選択,鉗子操作など,若干の工夫で十分に対応可能であると考えられる。腹腔鏡下手術(transabdominal pre-peritoneal repair:TAPP)が第一選択となる可能性が示唆された。</p>

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