広範な門脈ガス血症を呈したC. perfringensによる感染性腸炎の1例

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タイトル別名
  • A Case of Hepatic Portal Venous Gas Due to Infectious Enteritis from Clostridium perfringens

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抄録

要旨:症例は74歳男性,昼食に2日前のポークカレーを摂取したところ上腹部痛が出現した。腹部は平坦でやや硬,上腹部に圧痛と反跳痛を認め,腹部造影CTでは回腸の拡張,壁の菲薄化・造影不良と広範な門脈ガス血症を認めた。絞扼性イレウスまたは非閉塞性腸管虚血症による腸管壊死の診断で緊急手術を施行したが,開腹すると腹腔内に腸管壊死は認めず一部の回腸壁が分節状に白色・菲薄化していたのみだった。病理組織学的には粘膜上皮の壊死・脱落,炎症細胞の浸潤と芽胞を伴うグラム陽性桿菌の増殖を認め,診断は現病歴も合わせるとC. perfringensによる感染性腸炎が最も考えられた。門脈ガス血症は腸管壊死を伴う急性腹症の際にみられることが多いが,感染性腸炎でみられることもあり鑑別に際しては念頭に置く必要がある。

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