直腸用カテーテル(フレキシシール®)を使用し人工肛門を造設せずに治療を行うことができたFournier壊疽の1例

  • 爲廣 一仁
    社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院救急科
  • 靍 知光
    社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院小児外科
  • 黒田 久志
    社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院外科
  • 田中 将也
    社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院外科
  • 今泉 拓也
    社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院外科
  • 島 弘志
    社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院救急科
  • 荒木 恒敏
    社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院救急科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Fournier's Gangrene, in which the Use of a Fecal Incontinence Management System (Flexi-Seal®) Allowed Treatment without the Creation of a Colostomy

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説明

Fournier壊疽の治療では,壊死部および炎症の拡大部に対し,早期に,十分なデブリードマンを行うことが重要である。また,炎症の場所が肛門に近いため,術後の排便コントロールが問題となる。今回われわれは,75歳男性のFournier壊疽の治療過程において,下腹部に達するデブリードマンを行い,人工肛門の造設は行わず,術後に直腸用カテーテル(フレキシシール®:コンバテック社)を使用して,排便コントロールを行った。フレキシシール®は保険適応上29日間以内の使用期限があり,同程度の治療期間を念頭に入れる必要がある。そのため高気圧酸素療法を治療に追加した。高気圧酸素療法は,創部の治癒を早めることが期待できる治療法であり,本症例でも,創部の肉芽形成が良好で,第27病日に創閉鎖を行うことが可能であった。Fournier壊疽に対しフレキシシール®の使用と高気圧酸素療法の併用は有効な治療法の一つと考えられた。

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