腸閉塞症で発症した小腸アニサキス症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Small Bowel Anisakiasis Developed Bowel Obstruction

説明

<p>症例は72歳男性,右下腹部痛と腹部膨満を主訴に近医受診。腸閉塞症の診断で紹介受診された。腹部所見で反跳痛を認めたが,筋性防御は認めなかった。腹部単純,造影CTにおいて下腹部正中から右側の小腸は拡張し,限局性の浮腫状壁肥厚を,肝表面と,骨盤内に腹水を認めた。造影効果不良部位は認めず,closed loopは認めなかった。以上より腸閉塞症と診断し,原因が明らかでないが腹膜刺激症状を認めたため,原因精査,治療目的で同日緊急手術を施行した。手術は腹腔鏡で開始した。腹腔内を観察するも,腸閉塞症の原因が明らかでなく小開腹した。回腸末端より口側に40cmの部位から口側に10cmにかけ小腸の浮腫は高度であった。この部位を部分切除した。病理検査結果では粘膜下層にアニサキス虫体の断面を認め,周囲は寄生虫肉芽腫を認めた。以上より回腸アニサキス症による著しい腸管浮腫が腸閉塞症の原因と考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204738744832
  • NII論文ID
    130005462643
  • DOI
    10.11231/jaem.36.1261
  • ISSN
    18824781
    13402242
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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