切除により血清CEAが正常化した壊死性虚血性大腸炎の1例

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  • Abnormal Serum Carcinoembryonic Antigen Levels were Normalized by Resection of the Rectosigmoid Colon in a Patient with Gangrenous Ischemic Colitis: A Case Report

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抄録

症例は87歳男性。腹痛,下痢,嘔吐を主訴に当院に救急搬送された。腹部全体に強い圧痛を認め,血液検査にて炎症反応および血清CEAが552.6ng/mLと異常高値を示した。腹部CTで腹水の貯留および遊離ガス像を認め,消化管穿孔と診断し同日緊急手術を施行した。開腹すると,横行結腸から直腸S状部に至るまで腸管の壊死を認めたためハルトマン手術を施行した。術後第22病日に行った血液検査では血清CEAは2.4ng/mLと正常化し,病理組織学的診断でも悪性所見を認めず,壊死型虚血性腸炎と診断した。高CEA血症をきたす病態として,まれではあるものの,重度の虚血性腸炎も含まれ,これらを視野に入れた診療が望まれる。

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