びまん性肺疾患における経気管支肺生検 (TBLB) の意義

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タイトル別名
  • Transbronchial Lung Biopsy (TBLB) in Diffuse Lung Diseases

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説明

経気管支肺生検(TBLB)は近年びまん性肺疾患の診断に繁用されており, 著者らの施設でも1972年以降234例に計271回のTBLBを施行し, 92%に診断に適当なspecimenが得られた。サルコイドーシスでは63例のうち46%に類上皮肉芽腫が認められ, specimen数, 気管支の生検部位, 症状の有無, 気管支肺胞洗浄液中のリンパ球の比率により陽性率に差がみられた。特発性間質性肺炎, 膠原病に伴う間質性肺炎では特異的な所見はないが, 肺胞隔壁の細胞性肥厚と線維化に若干の差がみられたほか, 免疫組織学的検索でも両者に差異が認められた。特発性間質性肺炎では肺胞隔壁の細胞性肥厚, 線維化の程度により, 罹病期間, 肺機能, 治療に対する反応等に差がみられた。その他の疾患では塵肺, 転移性肺癌等75例中33例(44%)に有用な組織所見が得られた。TBLBの合併症としては, 出血が4.4%, 気胸が3.0%に認められたが, いずれも重篤なものはなく, 安全性の高い検査と考えられた。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 4 (4), 323-332, 1982

    日本呼吸器内視鏡学会

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