気管支内腔にポリープ様腫瘤を形成した腎癌肺転移の 2 例

書誌事項

タイトル別名
  • Two Cases of Endobronchial Metastasis from Renal Adenocarcinoma

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説明

大きな気管支の内腔に突出して, 気管支を狭窄したり閉塞したりする転移は比較的まれでEndobronchial metastasisといわれる。気管支鏡的には気管支腔内にポリープ様腫瘤を認め, 原発性肺癌との鑑別を要する。原発臓器で最も多いのは腎癌である。我々はこのような腎癌の気管支転移を2例経験した。症例1は咳嗽と血痰, 発熱で発症, 気管支鏡で左上葉幹に白色腫瘤を認め, 扁平上皮癌や気管支腺腫との鑑別を要した。腫瘤の生検では確診得られず, 肺野粒状影に対しての経気管支的肺生検で腎癌の肺転移と診断された。症例2は血痰で発症, 気管支鏡で右中葉のB^5_aに白色腫瘤の存在, B^5入口方向に突出していた。腎癌による左腎摘出術の既往と, 腫瘤生検で腎癌を思わせる異型細胞を認めたことから, 腎癌の気管支転移と考えられた。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 4 (2), 163-169, 1982

    日本呼吸器内視鏡学会

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