気管支内異物(カニの肉)により肺炎, 膿胸をきたした 1 切除例

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タイトル別名
  • A Case with Pneumonia and Empyema Caused by a Bronchial Foreign Body (Crab Meat)

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説明

46歳の男性で食事中にカニの肉を誤嚥した。近医で気管支鏡検査を受けたが異物は不明であった。その後, 臭気を帯びた息と繰り返す肺炎のために受診した。胸部レ線写真では特に異常は認められなかったが気管支鏡で右底幹, B^7, B^8, B^9, さらにその末梢に腐敗したカニの肉が認められ気管支鏡下に吸引除去と洗浄を行った。底幹の気管支粘膜は肉芽増生により狭窄をきたしていた。その後, 気管支粘膜の肉芽に対してYAGレーザー照射を行い底幹部の狭窄は消失した。その3箇月後に右肺炎と膿胸を併発した。胸腔ドレナージの効果なく膿胸郭清と右下葉切除を行った。切除標本では区域気管支に及ぶ気管支壁の全周性の肥厚がみられた。カニの肉の誤嚥は地域の食習慣に基づく食事法が誘因であった。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 12 (3), 328-332, 1990

    日本呼吸器内視鏡学会

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