乳癌術後35年目に癌性胸膜炎で再発した1例

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タイトル別名
  • A Case of Recurrent Breast Cancer Presenting Carcinomatous Pleurisy Thirty-five Years After Mastectomy

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説明

背景.乳癌は長期無病期を経て再発しうると言われている.症例.78歳女性,2001年1月右側胸部痛が出現し,その後右側胸部痛が増強したため近医を受診した.胸部X線写真上胸水貯留を認め,胸水細胞診でclass V,癌性胸膜炎の診断にて2002年7月に当科入院となった.患者は43歳時に乳癌にて右乳房切除術および放射線照射の既往がある.胸腔鏡検査にて壁側胸膜に不整な胸膜肥厚像を認め,更に気管支鏡検査にて多発気管支内転移を認めた.胸水細胞診と気管支粘膜生検組織像での免疫染色にてestrogen receptor(ER)陽性,thyroid transcription factor 1(TTF-1)陰性の所見であり,肺癌は否定的で,初回手術後35年経過した乳癌再発症例であると診断した.結論.転移性肺癌や癌性胸膜炎が疑われる時,乳癌の既往があれば長期に経過していても乳癌の再発の可能性を念頭におき検討する必要があると考えられる.(気管支学.2004;26:383-387)

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 26 (4), 383-387, 2004

    日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (6)*注記

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参考文献 (15)*注記

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