当科における肺門および縦隔リンパ節腫大の診断におけるEBUS-TBNAの有用性の検討

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タイトル別名
  • Evaluation of the Usefulness of Endobronchial Ultrasound-guided Transbronchial Needle Aspiration in the Diagnosis of Hilar or Mediastinal Lymphadenopathy

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抄録

背景.超音波気管支鏡下針生検(EBUS-TBNA)は気管支鏡分野における新しい検査法で,縦隔や肺門リンパ節腫大の評価において有用性があり安全性の高い手技である.目的.当科で施行したEBUS-TBNA症例について病理学的診断における有用性を検討した.方法. 2009年4月から2011年3月までの2年間に診断目的でEBUS-TBNAを施行した肺門・縦隔リンパ節腫大を有する51症例を対象とした.結果. 51症例(延べ58症例)にEBUS-TBNAを施行した.診断率は86.3%(44/51)で46症例に確定診断が得られた. 32症例が悪性腫瘍, 14症例が良性疾患であった. EBUS-TBNAで確定診断に至らなかった5症例はCTガイド下肺生検と縦隔鏡で病理診断を得た.穿刺部位別診断率は, #4Rが75%, #7が89%, #11が80%,右上葉結節が0%で,その他の部位はすべて100%であった.また,リンパ節のサイズ別(短径)診断率は, 10〜15mmが60%, 16〜20mmが68%, 21〜25mmが83%で, 26mm以上はすべて100%であった.検査中・検査後において重篤な合併症は認めなかった.結語.当科で施行したEBUS-TBNAの診断率はこれまでのsystematic reviewと同等であった. EBUS-TBNAは肺門または縦隔リンパ節腫大を評価する方法として低侵襲かつ高い診断率が得られる手技である.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 34 (5), 423-427, 2012

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (15)*注記

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