気管支拡張症に合併した縦隔型気管支動脈瘤の1例

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Mediastinal Bronchial Artery Aneurysm Complicated with Bronchiectasis

この論文をさがす

抄録

背景.気管支動脈瘤(bronchial artery aneurysm : BAA)は稀な疾患であり,中でも縦隔型気管支動脈瘤の診断は困難であるが,近年画像診断技術の進歩に伴い報告例が増えてきている.症例. 67歳女性.喀血を主訴に受診し,胸部画像で左下葉に気管支拡張像とその周囲に濃度上昇域を認めた.気管支内視鏡検査で左底幹からの出血を認めたため,気管支拡張領域からの出血を考え,気管支動脈塞栓術(bronchial artery embolization : BAE)を検討した. BAE前に胸部造影CT画像より3D (three dimensions) CT画像を構築したところ,左気管支動脈の下葉への血管拡張・蛇行・増生と,その起始部に釣鐘型の気管支動脈瘤を認めた.左気管支動脈塞栓術にて止血後,待機的に気管支動脈瘤に対し気管支動脈瘤コイル塞栓術を施行した.その後再発は認めず経過良好である.結論.縦隔型気管支動脈瘤は稀な疾患であるが,検索し得た報告例の47% (32/68)が破裂例であり,そのうち6.3% (2/32)が致死的な経過を辿っていたことから,気管支動脈瘤を疑えば積極的に精査することが重要であると考えられた.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 36 (5), 509-513, 2014

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ