硝酸ガス吸入による急性肺水腫の1例

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タイトル別名
  • A Case of Acute Pulmonary Edema Due to Inhalation of Nitric Acid

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抄録

背景.硝酸ガス吸入後に肺水腫を来す症例の報告は少ない.症例. 43歳,男性. 2012年7月,メッキ剥離の工程で硝酸ガスを吸入した後,咳嗽と呼吸困難の出現とともに低酸素血症,および胸部X線上両肺にびまん性陰影を認めた.気管支鏡検査にて,中枢気道に発赤・びらんを認め,気管支肺胞洗浄の回収液の外観は黄色であった.入院後酸素療法および抗菌薬治療のみで胸部X線の陰影は改善した.結語.工場の労働者が急性呼吸不全を呈した場合,有毒ガス吸入による肺水腫の可能性を考える必要がある.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 36 (1), 53-58, 2014

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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