肩甲下筋腱断裂の小断裂の新指標である“Gap sign”の腱板修復術後の変化

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説明

Lafosse type-IとIIの肩甲下筋腱(SSc)小断裂の診断は困難である.SSc断裂のMRI診断に関して,SSc-肩甲骨間の間隙である“Gap sign”(GS)はSSc断裂を予測しうることを報告した(肩関節,2016).今回,修復術後にGSが改善するのか調べた.<BR> 修復術を施行した88肩を対象とし,術前・術後1年でGSをGS(+),GS(±),GS(-) と判定した.肩甲骨前面上方2分の1全てに間隙ありをGS(+),接している部分が少しでもあればGS(±)とした.GS(+)とGS(±)を併せてGS陽性とした.<BR> SSc断裂52肩中51肩でGS陽性,SSc正常の36肩中27肩で,GS陰性であった.感度は0.98,特異度は0.75であった.SSc断裂52肩中,Lafosse type-I・IIの32肩中31肩でGS陽性であった.術前後では,術前GS(+)の47肩中9肩は変化なく,全て棘上筋に中断裂以上があり,7肩で棘上筋がSugaya Type IVとなっていた.GS陽性の60肩中19肩(32%)で,術後GS陰性となっていた.<BR> Gap signはSSc断裂の診断に関して,感度・特異度ともに良好で,SSc修復後に改善する例が見られた.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 41 (3), 778-782, 2017

    日本肩関節学会

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