腱板断裂術後修復腱における筋腱移行部の内側移動の経時的変化

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肩腱板断裂術後に修復良好な棘上筋筋腱移行部が内側に移動する症例がしばしばみられる.本研究では修復良好な症例の筋腱移行部の内側移動を術後経時的に測定し,内側移動の頻度及び時期について検討したので報告する.2013年に施行した鏡視下腱板修復術後12ヵ月のMRIで棘上筋腱断裂の修復が良好(菅谷分類Type1,2)であった49肩のうち,MRI斜位冠状断で上腕骨頭外側-棘上筋筋腱移行部間距離の測定が可能であった30肩を対象とした.術後1年の経過において,9肩で測定距離が術後1ヵ月時と比較し5mm以上内側に移動した(中断裂3肩,大断裂5肩,広範囲断裂1肩).8肩では術後3ヵ月時に測定距離が5mm以上内側に移動した.筋腱移行部が内側に移動するメカニズムは解明されていないが,本研究では,全体の30%で内側移動を認め,術後3か月以内に起こることが多いことが示された.今後,内側移動の機序および臨床的意義を解析していく必要がある.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 41 (3), 715-718, 2017

    日本肩関節学会

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