エホバの証人の輸血拒否をめぐる問題点  輸血拒否の主体は誰か―文化人類学的視点から見た輸血拒否―

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  • The Socio-Cultural Aspects of Blood Transfusion Refusal by Jehovah's Witnesses in Japan

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抄録

  本論では, エホバの証人の輸血拒否を新しい医療技術をめぐる文化摩擦と位置づけ, 文化人類学の視点から検討した. エホバの証人の輸血拒否の基礎となる世界観や宗教集団としての特徴には, 異常性は見出せない. 彼らは, 輸血や血液製剤の副作用が社会問題化したのを背景に, 患者の自己決定権という新しい思想に沿ってこの問題の解決を図ろうとしてきた. また, 血液成分の一部の利用を個々の信者の判断にゆだねるという歩み寄りもみせている. 異文化としての彼らの価値観を許容する以上, 親としての判断能力を否定することはできず, 子供のみを彼らの社会から引き離して輸血を行うことは難しいと考えられる.

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