肩甲下筋腱最頭側部の解剖学的修復と上腕二頭筋長頭腱との関係
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説明
肩甲下筋腱の最頭側部が上腕二頭筋長頭腱(LHB)の安定性に寄与しており,我々はこれを小結節上面に縫着する解剖学的修復を行いLHBは損傷の程度にかかわらず全例で温存した.今回その治療成績を報告する.<BR> 対象は2009年から2011年に腱板一次修復が可能であった115例である.肩甲下筋腱最頭側部およびLHB病変の評価を行った.肩甲下筋腱断裂を認めた48例に解剖学的修復を行い全例でLHBを温存した.治療成績については,関節可動域,JOAスコア,MRI所見,Speed test,疼痛VASについて検討した.<BR> LHB病変に関しては肩甲下筋腱断裂の大きさと関連があった.術後成績や術後疼痛の発現はLHBの損傷,不安定性の程度には関連がなかった.<BR> 肩甲下筋腱最頭側部は肩関節前方の重要な支持組織でありLHBの安定性を考慮するとき解剖学的に修復する必要がある.今回の検討において同部の解剖学的修復によりLHBの損傷や不安定性の程度に関係なく良好な成績が得られた.
収録刊行物
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- 肩関節
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肩関節 40 (3), 987-991, 2016
日本肩関節学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204759548160
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- NII論文ID
- 130005494215
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- ISSN
- 18816363
- 09104461
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可