連合型視覚失認の1例

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タイトル別名
  • A Case of Associative Visual Agnosia.

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説明

64歳, 男性。右利き。左側頭葉後部白質および脳梁膨大部の梗塞により右同名半盲, 色彩呼称障害, 失読, および視覚失認を呈した。本例の視覚失語の特徴は絵カードの呼称が困難であるにも関わらず, 絵の異同弁別, 図形模写, 同一図形の matching などは可能であった点で, これは形態視が保たれていることを意味し, Lissauer の言う連合型視覚失認に一致すると思われた。また物品の指示, 絵カードのカテゴリー別分類, odd picture out test などが困難であったことから視覚失語とは鑑別された。従来連合型視覚失認の報告は両側性病変によるものが多いが, 本例は左側一側性病変と脳梁病変により連合型視覚失認を呈し, Lissauer の症例と責任病変が類似しているという点で興味深いと考えられた。

収録刊行物

  • 失語症研究

    失語症研究 13 (4), 306-312, 1993

    日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能学会)

被引用文献 (3)*注記

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