記憶障害のリハビリテーション  間違った方がおぼえやすいか?努力した方がおぼえやすいか?

  • 三村 將
    東京歯科大学市川総合病院 精神神経科

書誌事項

タイトル別名
  • Rehabilitation of memory. Effect of errors and efforts in learning sessions.

説明

外的補助と内的補助 (記憶方略) の使用を中心とする従来の記憶リハビリテーション (記憶リハ) の方法を述べ,健忘症患者への適応とその限界に触れた。さらに,記憶リハの新しいトップダウンな考え方,特に潜在記憶を導入する手がかり漸減法を紹介し,その問題点を通じて誤りなし学習の重要性を論じた。そのうえで,学習過程における誤りと努力という2つの要因を軸とした記憶リハの新たな理論的枠組みを考案し,誤りあり/なし,努力あり/なしの4つの学習条件でコルサコフ症候群患者に未知人物の顔-名前学習訓練を実施し,その結果を報告した。健忘症患者の記憶リハにおいては,誤りを可能な限り排除した学習過程が有効であることが示された。一方,努力は決定的な要因ではなかった。顔-名前学習は材料の特殊性や,単一の事実ではなく新しい連合の成立を要する点など,課題として困難な点もあり,今後の検討を要すると思われた。

収録刊行物

  • 失語症研究

    失語症研究 18 (2), 136-145, 1998

    日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能学会)

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (3)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204762672512
  • NII論文ID
    130004482483
  • DOI
    10.2496/apr.18.136
  • ISSN
    18806716
    02859513
    http://id.crossref.org/issn/02859513
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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