臨床所見に基づいた外耳道真珠腫の進展度分類案

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  • Tentative plan for classification of progression degree of external auditory canal cholesteatoma: EACC based on clinical evidence

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説明

外耳道真珠腫の成因は依然として不明で、適切な治療方針の指標を得るためにも、コンセンサスの得られた進展度分類の早期確立が望まれる。2005年にNaimらが病理学的所見と臨床所見に基づき新しい分類法を提唱したが、全例の生検は実際的ではないと思われ、我々は耳鏡所見ならびに側頭骨CT所見に基づき彼らの分類を改変した。2006年から2011年に当科を受診した外耳道真珠腫症例は24例で、Stage I (上皮の欠損を認めないもの) が3例、Stage II (上皮の糜爛・骨面露出を認めるもの) が8例、Stage III (骨糜爛・腐骨を認めるもの) が4例、Stage IVa (隣接構造物の破壊を伴うもの) が8例、Stage IVb (顔面神経・骨迷路・頭蓋底の破壊を伴うもの) が1例。手術を要した9例は、Stage IIの1例を除き、Stage III以上の症例であった。本分類案は、日常診療で基本となる耳鏡所見を重視する点で適用し易いと思われる。重症度も加味し、保存的治療と手術療法の境界線も適切に示された。

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