重症ハント症候群

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  • Sever Hunt syndrome

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ハント症候群は水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化により生じた帯状疱疹の一病型である。帯状疱疹は高齢者のありふれた感染症のひとつとされている。今回、ハント症候群に罹患した経験について述べた。特に前駆症状として全身倦怠感、上咽頭痛や耳痛がありながら、早期診断・早期治療には結びつかなかった。発症時は不全麻痺であったが、数日のうちに完全麻痺となった。初診日から抗ウイルス薬とステロイド内服による治療を行ったが、発症6週目には8/40点 (柳原法)、ENoG 8%であり、重症ハント症候群と診断され、後遺症残存が強く示唆された。ハント症候群では顔面神経麻痺のほかに聴覚過敏、味覚異常、平衡機能異常など多彩な症状があった。薬物治療やリハビリテーションにもかかわらず、不全麻痺、病的共同運動、顔面拘縮、顔面けいれんなどの後遺症を残す結果となった。このような経験から帯状疱疹やハント症候群の罹患と後遺症を予防するためには、ワクチン接種の普及が重要と思われた。

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参考文献 (12)*注記

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