鼓室形成術IIIrにより聴力改善を目指した鼓室硬化症例

  • 羽藤 直人
    愛媛大学大学院 医学系研究科 頭頸部感覚器外科

書誌事項

タイトル別名
  • Hearing improvement of tympanosclerosis with tympanoplastyIIIr: A case report

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説明

鼓室硬化症は耳小骨周囲の硬化病変により難聴を生じるが、鼓室形成術後の聴力成績は一般に不良である。また、鼓室硬化症の術式は選択肢が多く、術者によって異なる。本稿では鼓室形成術に関するパネルディスカッション、「その時、あなたはどうする?」で紹介した、聴力改善を希望する耳漏を伴う鼓室硬化症例を呈示し、聴衆へのアンケート結果を交えて、手術所見と術式選択の意図を示した。本症例はcanal wall up methodでposterior tympanotomyを行い、キヌタ・アブミ骨関節を外した後、耳小骨連鎖をIIIrで再建した。鼓膜形成に薄切軟骨を用いるなど、レスポンスアナライザーの結果からは非主流の術式選択であったが、患者の状態と要望に応じた適切な術式であったと考える。本稿を鼓室硬化症に対する今後の診療に役立てていただければ幸いである。

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