心電図時系列データからの呼吸数推定法について

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タイトル別名
  • Respiratory rate estimation from electrocardiographic time-series data.

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説明

心電図のR-R間隔及びQRS振幅時系列データから呼吸性リズムを抽出し, 呼吸数を推定することが可能か否かを検討した.<BR>対象は, 当検査部で自転車エルゴメータ運動負荷試験を施行した患者16例 (心筋梗塞: 4, 狭心症: 4, 心筋症: 5, 高血圧: 2, 大動脈弁狭窄症: 1) で, 安静時5分間と中等度 (max VO2の60~80%) 運動負荷時5分間の心電図R-R間隔及びQRS振幅時系列データから自己回帰モデルによる周波数分析及び転換点認識法により呼吸数を推定した.<BR>周波数分析におけるR-R間隔とQRS振幅時系列データからの呼吸数推定は, 実測値と良好な相関 (それぞれr=0.979, r=0, 984) を示したが, 16例中3例では運動負荷時R-R間隔時系列データから呼吸性リズムの抽出はできなかった.また転換点認識法において, 運動負荷時R-R間隔時系列データからの呼吸数推定値はr=0.814で実測値より低値となる傾向があり推定は困難であるが, QRS振幅時系列データでr=0.979と周波数分析法に匹敵する満足な結果が得られた.<BR>以上より, 転換点認識法は心電図振幅時系列データから呼吸数を簡便に算出, 推定でき, 呼吸数のモニターとして臨床応用への可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 7 (3), 287-293, 1987

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

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