耐性菌の動向とニューキノロン系抗菌薬の使い分け

  • 藤田 次郎
    琉球大学医学部感染病態制御学講座(第一内科)

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タイトル別名
  • Prevalence of resistant strains and role of new quinolones

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説明

耳鼻科領域のカバーする器官と呼吸器系器官とはone airway という概念で捉えることが可能である。鼻腔・咽頭の分泌物の誤嚥は病原体が肺に到達する主要な経路である。また急性中耳炎の三大起炎菌は、インフルエンザ桿菌、肺炎球菌、および黄色ブドウ球菌である。これらの三大起炎菌は、インフルエンザウイルス感染症に合併する二次性細菌性肺炎の三大起炎菌と同じである。また上気道感染症の起炎菌として重要な肺炎球菌、およびインフルエンザ桿菌は、airway の末端に位置する肺胞の感染症である肺炎の起炎菌としてもきわめて重要な起炎菌である。このことから呼吸器感染症で得られた知見(特に耐性菌の動向)を、耳鼻科感染症に応用することが可能となる。耳鼻科領域感染症においても肺炎球菌は主要な起炎菌であることから、ニューキノロン系抗菌薬を選択する際には、必ずレスピラトリーキノロン系薬を選択する必要がある。

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参考文献 (11)*注記

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