心室頻拍の基盤―特発性心室頻拍を中心に―

  • 清水 渉
    国立循環器病研究センター 心臓血管内科 不整脈部
  • 野田 崇
    国立循環器病研究センター 心臓血管内科 不整脈部

書誌事項

タイトル別名
  • Basis for Idiopathic Ventricular Tachycardia
  • ―特発性心室頻拍を中心に―

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説明

心室頻拍(VT)の多くは何らかの器質的心疾患に合併して発症するが,明らかな器質的心疾患を有さない特発性VTの存在も知られている.特発性VTのなかで頻度の高い右室流出路起源の特発性VTは左脚ブロック型+下方軸を呈し,一般に良性のVTと考えられているが,一部には悪性の特発性VTと同形の心室期外収縮(PVC)から多形性VTや心室細動に移行する良性とはいえないグループもある.これらの悪性グループを見つけ出す心電図学的指標として,VT第1拍目のPVCの比較的短い連結期や比較的長いQRS幅が報告されている.また,多形性もしくは単形性VT中の短い平均周期(Cycle length)や失神の既往は,悪性グループ患者を予測する指標となる可能性が示唆されている.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 30 (5), 445-452, 2010

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (12)*注記

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