急性心筋梗塞時の心室自動能の変化と不整脈: 閉胸犬モデルでの検討
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説明
冠動脈閉塞後の心室自動能の経時的変化と再灌流による変化を閉胸犬モデルを用いて検討した.迷走神経刺激による洞調律抑制時の心室補充収縮の出現間隔 (VEI) は冠動脈閉塞後徐々に短縮し, 4時間には平均0.71秒と洞周期近くまで短縮した.3~8時間には自動能の昂進 (enhanced automaticity) によって, 心室性期外収縮あるいは比較的周期の長い心室頻拍 (VT) が出現した.左室型の9種類のVT中4種類は梗塞領域内, 5種類は梗塞巣に隣接する非梗塞部心筋から発生していた.VTはVerapamil, Diltiazem, Propranololによって抑制されたがLidocaineでは変化しなかった.4時間の時点での再灌流によりVEIはさらに有意に短縮した.再灌流に伴う心室自動能の昂進はVerapamilによって予防された.以上の成績から, 急性心筋梗塞早期および再灌流時の心室自動能昂進にはこうした異常環境下で活性化されるCaイオン電流が重要な役割を演じている可能性が示唆された.
収録刊行物
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- 心電図
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心電図 7 (Suppl2), 43-51, 1987
一般社団法人 日本不整脈心電学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204774268928
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- NII論文ID
- 130004245819
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- ISSN
- 18842437
- 02851660
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可