中学生用コミュニケーション基礎スキル尺度の作成

  • 東海林 渉
    東北大学大学院教育学研究科 臨床心理研究コース 日本学術振興会特別研究員DC
  • 安達 知郎
    東北大学大学院教育学研究科 臨床心理研究コース
  • 高橋 恵子
    東北大学大学院教育学研究科 臨床心理研究コース
  • 三船 奈緒子
    東北大学大学院教育学研究科 臨床心理研究コース

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a Basic Communication Skills Scale for Junior High School Students
  • チュウガクセイヨウ コミュニケーション キソ スキル シャクド ノ サクセイ

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抄録

本研究では, 対人状況全般において用いられるスキルを行動(記号化)・認知(解読)・感情(統制)の視点から測定する中学生用尺度の作成を行った。はじめに, 既存の尺度から選別した項目をKJ法で分類し項目プールを作成した。調査1(A~C校の1, 2年生363名)の探索的因子分析の結果, 「意思伝達スキル」「動揺対処スキル」「意図的隠匿スキル」「他者理解スキル」「自己他者モニタリングスキル」の5因子が抽出された。α係数は.70~.80であった。また調査2(A~E校の1~3年生1,721名)の確認的因子分析の結果, 「意図的隠匿スキル」を除く4因子構造で十分な適合度が確認された(GFI=.94, AGFI=.92, CFI=.90, RMSEA=.05)。さらに, 構成概念妥当性の検討を行った調査3(A, B校の1~2年生220名)の結果, 「意図的隠匿スキル」以外で, 対人不安やソーシャルサポート, 攻撃行動との間に妥当な関連がみられた。以上より, 感情抑制による否定的影響が推察される「意図的隠匿スキル」を除く4因子24項目で「コミュニケーション基礎スキル尺度」を構成した。本尺度の4因子は, 相川(2009)の「ソーシャルスキル生起過程モデル」と類似しており, 対人状況全般における基礎的なスキルを測定していると思われた。

収録刊行物

  • 教育心理学研究

    教育心理学研究 60 (2), 137-152, 2012

    一般社団法人 日本教育心理学会

参考文献 (4)*注記

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