GENの役割と特性に関する研究(<特集>最適性理論の各領域における発展・深化)

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  • Studying GEN(<Feature Articles>Development and Elaboration of OT in Various Domains)
  • Studying GEN

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抄録

最適性理論における音韻パターンの説明は,1つの階層に序列化された出力制約群を用いてなされる。「制約」に関する理論なのだから当然であり,実際上も「操作」の理論としてはほとんど説明上の役割を持たなかったため,これまでも生成部門GENの操作についてはほとんど議論されてこなかった。しかし,調和的逐次モデルと呼ばれる派生的な最適性理論の台頭とともに,この状況が一変した。調和的逐次モデルと標準的な最適性理論との主要な違いは,前者のGENは「一度に1つの変化しかもたらすことができない」という点にこそある。したがって,調和的逐次モデルに基づいて分析したり説明したりするためには,「一度に1つの変化しかもたらすことができない」ということが,実際のところ何を意味するのかを知ることが鍵となる。そして,そのためにはまさにGENに関する理論が必要となるのである。そこでこの論文は,調和的逐次モデルににおけるGENの役割を解き明かし,GENの特性を発見するための2つの技法について論じる。

収録刊行物

  • 音声研究

    音声研究 13 (2), 3-12, 2009

    日本音声学会

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