吸湿性の異なる肌着着用時における発汗開始前後の温熱生理反応

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タイトル別名
  • The thermoregulatory responses before and after the onset of sweating when wearing undershirts of different moisture absorption
  • キュウシツセイ ノ コトナル ハダギ チャクヨウジ ニ オケル ハッカン カイシ ゼンゴ ノ オンネツ セイリ ハンノウ

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説明

本研究は,吸湿率が 2%異なる 2 種類の肌着着用による温熱生理反応への影響を,発汗開始前後に分けて明らかにすることを目的とした.7 名の女性被験者は,ポリエステル丸編み・長袖 T シャツ(以下 P:吸湿率 0.6%),あるいはキュプラ/ポリエステル交編丸編み・長袖 T シャツ(以下 C:吸湿率 2.6%)を着用し,椅座安静を保った.環境温度は,240 分の間に 26℃,20℃,35℃と変化させた.その結果,皮膚血流量は,発汗開始前では C が P に比べて有意に低く,発汗開始後では C の方が有意に高かった(p<0.05).平均皮膚温の変化を C と P の差(C−P)としてみると,発汗開始前は −0.52±0.33℃を示したが,発汗開始後は −0.03±0.16℃となり,0.49℃有意に上昇した(p<0.05).局所皮膚温も同様に,発汗開始後は上昇した.これらの変化は,C の高い吸湿性により,発汗開始前では皮膚からの気化促進が,発汗開始後ではそれを上回る肌着からの高い収着熱が,それぞれ影響したものと推察される.すなわち,P と C の吸湿率の違いが,皮膚血流量および皮膚温に及ぼす影響は,発汗開始前後で異なることが判明した.<br>

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