温熱性発汗発現の部位差と発汗能との関係
書誌事項
- タイトル別名
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- Relationship Between the Sweating Capacity and the Regional Difference in the Onset of Sweating
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説明
発汗発現の部位差を汗腺の分泌能のそれに関連して検討するため, 発汗量対中枢性発汗活動のプロットよりえた回帰直線を, 上半身のいろいろな部位のあいだで比較した。被検者は気候室内で安静椅座位をとり, 室温は2―3℃ずつ30―50分の間隔で35℃から45℃まで段階的に上昇させた。湿度は40%に保持した。室温の各ステップでは, 20分又はそれ以上の平衡時間をとったあとで局所発汗量を測定した。ここでは, 中枢性発汗活動は0.9Tre+0.1Tsであらわし, また, 回帰直線の勾配とx切片をそれぞれ発汗増加能, 発汗発現温度とみなした。汗腺の発汗増加能が低い部位ほど発汗発現温度が高いという一般的傾向が見られた。しかし, 一部の被検者の腋窩と前額は, 発汗増加能が他のどの部位より低いにもかかわらず発汗発現温度ははるかに低かった。各部位からえた回帰直線を外挿したところ, 横軸下の1点に集中することはなかった。このことは, 導管部での水の再吸収量は, おそらくその部位の汗腺の分泌能に比例して変化することを示唆する。腋窩と前額で見られる特異な温熱性発汗のパターンは, それらの部位の再吸収能が極端に低いことを示唆する。
収録刊行物
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- 日本生気象学会雑誌
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日本生気象学会雑誌 18 (2), 72-79, 1981
日本生気象学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204788032256
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- NII論文ID
- 130004006802
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- ISSN
- 13477617
- 03891313
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可