関西地域における近年の「猛暑」の評価―電力需給の議論の基礎として―

  • 小松 光
    京都大学白眉センター 京都大学大学院農学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of recent hot summer in Kansai: Basic information for supply and demand of electricity
  • カンサイ チイキ ニ オケル キンネン ノ 「 モウショ 」 ノ ヒョウカ : デンリョク ジュキュウ ノ ギロン ノ キソ ト シテ

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抄録

2011 年以降の関西地域における電力需給の議論で,2010,2012,2013 年が「猛暑」とされてきた.本論は,これらの年を電力需給の観点から「猛暑」とみなす妥当性を検討した.大阪管区気象台の日最高気温(To)が,関西地域の電力使用量とよい相関を持つことを確認した上で,2010,2012,2013 年の To に関する超過確率(Pr)曲線を,長期の Pr 曲線と比較した.いずれの年の Pr 曲線も,長期の Pr 曲線より概ね上に位置していた.電力需給にとって重要な高温域では,2013 年の Pr 曲線は長期の Pr 曲線より上に位置していたものの,2010,2012 年の Pr 曲線は下に位置していた.以上の結果から,電力需給という観点から,2013 年を「猛暑」とみなすことは妥当であるものの,2010,2012 年を「猛暑」とみなすことは妥当ではないと結論された.<br>

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