企画セッション3 バイオフィードバックとは何か : 心理学に基づいたその定義に関する考察(バイオフィードバックの定義について考える)
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- 廣田 昭久
- 鎌倉女子大学児童学部子ども心理学科
書誌事項
- タイトル別名
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- Organized session 3 What is biofeedback? : Consideration concerning the definition based on psychology(Definition of biofeedback)
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抄録
バイオフィードバックは,心理学における学習理論に関する議論から生まれ,発展してきた.従来,自律系反応は古典的条件づけのみによって学習されると考えられていた.しかし,Neal E.Miller(1969)は,ラットの心拍率の増加と減少が,目的とする心拍率変化が生じた時にラットの脳に刺激を与えることにより,オペラント条件づけによって学習され得ることを示した.一方,Joe Kamiya(1969)は,アルファ波を検出すると音が提示される装置を用いることで,被験者がアルファ波状態を弁別し,アルファ波をコントロールできることを示した.通常,我々は自らの自律系反応や中枢神経系の活動を調節することができないが,これらの研究は,生理学的状態に関する情報を被験者に与えるという方法を用いることで,不随意な反応がコントロールされ得ることを示した.このような議論とその方法論がバイオフィードバックを発展させた.バイオフィードバックの本質は,生体の生理学的状態に関する情報を生体自らに返すことにある.生理学的状態に関する情報は,行動,姿勢,体重の変化,表情や顔色の変化や健康診断の結果など,様々な内容を含むものと考えることができる.バイオフィードバックに関するそのような広い定義によって,バイオフィードバックの研究分野が広がり,研究がさらに発展していくだろう.
収録刊行物
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- バイオフィードバック研究
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バイオフィードバック研究 38 (2), 91-94, 2011
日本バイオフィードバック学会
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キーワード
詳細情報
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- CRID
- 1390001204789770496
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- NII論文ID
- 110008762023
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- ISSN
- 24323888
- 03861856
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可