シンポジウムの目的とアンケート結果について : 大学病院を対象としたバイオフィードバック療法に関するアンケート調査から(シンポジウム : バイオフィードバックの臨床応用 : 再活性化を目指して)

  • 三島 徳雄
    産業医科大学産業生態科学研究所精神保健学

書誌事項

タイトル別名
  • The Purpose of the Symposium and Results of Questionnaire Survey : a Study on the Status of Biofeedback Therapy in University Hospitals in Japan(Symposium : Clinical Application of Biofeedback : Aiming at Revitalization)

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説明

我が国におけるバイオフィードバック療法(以下BF)の研究と臨床応用は,心身医学治療法の中でも30年以上の歴史を持っている.BF研究の中にその基礎を持つと考えられる健康関連産業の商品が一般にも広く受け入れられている.しかし,日本バイオフィードバック学会に対する関心や,関連学会へのBFに関連する発表は,近年は活発であるとは言い難い.BFを広めるには,これまでBF学会に参加していない臨床家や研究者の声を関く必要があると思われる.このような問題意識から,BF学会会員の有志が集まり,大学病院の臨床講座を対象とした質問紙調査を実施し,今後のBFの活性化を図るための議論の基礎データとするとともに、その結果に基づいて活性化のために議論することを考えた.質問紙は2種類作成し,一つは各講座の現状について記入を依頼し,もう一種順にはBFに関心がある講座の構成員の個人的な意見を求めた.全国の大学病院の神経内科,精神神経科,心療内科,リハビリテーション部門,総合診療部に相当する臨床講座に質問紙を郵送した.平成13年11月中旬に郵送し,回答を求めた.355講座に郵送したが,3つは実質上臨床機能を持っていなかった.従って対象総数は352になる.少なくとも講座,または,個人のいずれかに回答を寄せられた講座は164(47%)であった.講座回答を寄せた154講座のうち65講座(42%)がBFを「良く知っている」と答え,69講座(45%)が治療で使ったことがあると答えた.今後も使用を予定している講座は52(34%)であった.半数近い回答率から,予想以上に潜在的なBFへの関心は高いものと考えられた.今後,これを実質的な活動に結びつけていく必要があると恵われる.

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