肝細胞癌を合併した肝炎ウイルスマーカー陰性でScheuer II期の原発性胆汁性肝硬変の1例

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タイトル別名
  • A case of primary biliary cirrhosis complicated with hepatocellular carcinoma showing negative results for HCV, HBV and HGV markers.

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抄録

69歳, 女性. 脳出血後の通院中, 偶然占拠性肝病変を指摘されて入院. 輸血歴あり. 黄疸, 掻痒感なし. ALP 560IU/l, γ-GTP 357IU/l, 抗ミトコンドリア抗体320倍, 非腫瘍部の肝生検で非化膿性破壊性胆管炎を認め, Scheuer II期の無症候性原発性胆汁性肝硬変 (PBC) と診断した. 占拠性病変は血管造影で濃染し, AFP 1, 350ng/ml, PIVKA II 0.4AU/mlより肝細胞癌 (HCC) と診断. ジノスタチンスチマラマー (SMANCS) の動注療法後, リピオドールの沈着を認めた. 血中のHBc抗体を含むHBVマーカー, HCV抗体, HCV-, HGV-RNAはいずれも陰性. 肝生検所見に加え, ICG 7.2%, 血小板数正常, 食道静脈瘤および血管造影上コルクスクリューサインを認めず, 肝硬変ではないと考えた. B型, C型肝炎ウイルスマーカー及びHGV-RNAが陰性で, 肝硬変のないPBCに合併したHCCは極めて稀と考え報告した.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 38 (9), 547-552, 1997

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (19)*注記

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